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ほうさんのお国柄

企画参加用創作ブログ。絵は描けない。文のみ。お腐れ。色々注意。

【閲注】物置あさり①

 下ネタ下品。正気に戻ったら消すかもしれないです。

 

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「じゃ、僕出かけてくるから。早くて明後日の昼頃帰ると思うよ。遅ければ...わからない。まぁ帰ってはくるから、気長に待ってておくれ」

「おう。たまには介護の休暇をもらったつもりで休むわ。安心しろ、寂しくねぇから」

「つれないなぁ...僕はこんなにも寂しいのに...」

「ハイハイわかったわかった寂しいですよ」

「もう...いってきます」

「いってらしゃい。気をつけてな」

 

精霊の青年は、黒毛の馬に乗り、名残惜しそうに出ていった。

 

残された茶髪の人間の青年は、その背中が消えるまで見送った。

 

 

 

 

彼等が共に住み始めて、それなりの年月が経過していた。精霊サラトナグは時折どこかへフラフラと出かけて遊んで帰ってくる。人間アレストは欲しいものがあれば気ままに買いに行き気ままに帰ってくる。お互いの制約を殆ど決めずに暮らす彼等は、恋人というよりは同居人であり、友人というよりは腐れ縁であり、ただ、最も大事な者は、と聞かれれば互いを答えるような、そんな関係。

 

互いに気ままに国内を渡りながら暮らす彼等だが、時折、明勲精霊(※)であるサラトナグは、街であったり個人に呼び出される。

(※)国のお偉い精霊さん。ふらふらしててもいいけれど、大事な事や厄介ごとがあった時に頑張る人達。

 

その時は彼がいつ帰って来てもいいように、アレストは家でゆっくりと過ごすのだが。

基本的に普段わがままに付き合っている分、最初は良いのだ。しかし、世話焼きな青年は、世話ができないと次第にそわそわしだす。何かに構いたくて仕方がないのだ。

花に過剰に手をかけたり、馬の世話をいつも以上にしても、出ていく精霊が早く帰ってくることはまず無い。そもそも厄介ごとが起きているのが普通なのだから当たり前であるのだが。

 

 

そうなった時、青年は家探しを始める。

精霊の秘蔵のお菓子の隠し場所、何百年物の果実酒、見た事もない美しい彫刻や工芸品、いつの時代の物かもわからない書物。時にはなぜ残してあるのかもわからないガラクタ。そういった物が、彼の住処からはぼろぼろと出てくるのだ。

見てはいけないもの、は厳重に封をしてある。それ以外なら何に手をつけてもいいといっていたのは精霊だ。青年は、今回も三日経っても帰ってこない同居人の私物をガサゴソと漁り始めた。

 

 

「....あ、これ」

それは本だった。表紙にも背表紙にもなにも書かれていない、真っ黒い本。箱に何冊も詰められ、雑多な物置の奥に入っていた。

その本は、見覚えがある。よくサラトナグが読んでいる、名もない本。そして、何かを書く時にも使っている物。古ぼけた物もあるが、一番新しそうな物は、つい最近仕舞われたようだ。埃の跡も傷もない。その一冊を抜き取り、青年は自室へ向かう。

 

立派な作りの本。分厚い表紙をめくるが、そこにも何も書かれていない。もう一枚めくると、隅の方に、一年ほど前の日付が書かれている。裏表紙から二枚めくった場所には、つい五日ほど前の日付が。

 

「...日記か?」

遠慮なしにページをめくる。罫線も何もない白紙の紙に、読む気が失せる程の乱雑な字で何かを文章や単語がつらつらと書かれている。それはページの隅から隅まで、改行も文脈も関係なく、ページごとに話題も日付も関係なく、ただひたすらに、何かが書き殴られている。

汚すぎて、青年には流し読みでは内容がわからない。時折自分の名前と思われるものが出てくる。十中八九日記だろう。

 

「...どうせ一緒に暮らしてるんだし、見ても大した事ないだろ...?よし」

愉快そうな笑みを浮かべながら、青年は日記を解読することにした。

 

 

 

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何冊目かわからないけど新しくなった。こういうのはのんびりやるのが長続きの秘訣だよね。

これをいつの僕が見るかはわからないから、まず最初に今を。

 

今僕はルーダ島西部の拠点にいる。アレストと一緒に。ちょっと前にここにやって来た。アレストをここに連れて来たのは初めてだ。

今ここにはイェルミの子供達が多い。おかげで気分が昂りやすい気がする。街も結構近いし、しばらくはここにいようかなと考えているところ。流石に色々、はいつかの僕も覚えているだろうけど、もうその事は大体落ち着いた。アレストの身体も落ち着いた。街も一応。きっと、君が知る街に治りつつあることだろう。

 

ここに来たのは、西の大港の監視のため。丁度移ろうかと思ってた所だったから丁度よかったけど。面倒だよね。出来れば何もしたくないのは山々だけど、でも、この国を作ったのは僕たちだから、ちゃんとしないとね。

ちゃんとしてるかい?今の僕はちゃんとしてるつもりだよ。一応ね。何が起こるかわからないけど、僕を恨まないでくれよ。いつも通り、頑張ってるんだから。

 

くだらないいつもの前置きはこれで終わろう。何にせよ楽しいんだから。次から書いていくよ

 

 

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「未来の自分に宛てた日記か。そうだよな...記憶が保たねぇよな...」

 しみじみと精霊の年齢を思い出す。自分の幼少期でさえも思い出せないことの方が多い。数百年という途方も無い年月を何度も思い出せるよう、彼が導き出した方法なのだろう。

 

次のページからは、更に乱雑な文字が書かれていた

 

 

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 今日も朝から天気がいい。特に予定はないのでアレストを抱こうと思う

今日も天気はいい。朝は知らない。楽しかった。

拗ねてる。かわいい。あー、何でこんなにかわいいのかな。ちょっとわかんない。いつも思うけど僕彼のこと好きすぎる。信仰しないけど、崇拝もしてないけどこれは可愛がっちゃう。仕方ない。この子が悪い。かわいいかわいい。今日も可愛い。ずっと可愛い。多分今も可愛い。そうだろ未来の僕。かわいいんだろ。今まででこんなにかわいい子がいたかって本当にそれしか思わない。ルートの若い頃は可愛かったなぁ。まだ。あの三年でどうしてあんなに厳つくなったかわからないけどもったいない。あ、こっちに来た。今日はこれで終わり

 

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「...なんだこれ」

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昨日は僕が受け身になった。彼の顔は本当に美しい。彼に見つめられてしまうと柄じゃなく熱くなる。こんな感覚は彼女以来だ。何度抱いても抱かれても飽きない。身体の相性がいいんだろう。ただ僕が抱いた方が彼の次の日は体調がよくなってることが多いから魔力の関係かもしれない。精液を養分として吸収している可能性もある。ちょっとまだわからない。わからないといえば彼が時々凄く欲求不満というか甘えてくる事もまだ基準が分かっていない。確か3冊前位にそう思った筈だけど、申し訳ない。まだ判明していない。一応可能性としては花粉症が有力候補ではある。次にもしなったら、花畑にでも連れ込んで確認してみる。わかり次第必ず書く。彼の目が美しいという話をしていたと思う。していなかった。美しいという話だった。今までに何度書いたかわからないから今日はもう眠ろうと思う。アレストはもうベッドにいる。今日も暑いといって全裸で寝ている。警戒心がなさすぎるのか誘っているのかわからない。でも今日は僕もちょっと疲れたので眠る。

 

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「花粉症ってなんだよ...あれかよ...しねよ...」

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朝起きたらアレストが僕に跨っていて勝手に僕で朝の処理をしていたものだから興奮して襲う、という夢を見て起きた。夢だった。悔しい。悔しいから寝ている彼を襲った。寝ぼけてるのか夢だ夢だと言い聞かせていたらやけに甘えてきた。もしかしてこれが本性なのかと思える。だとしたらちょっとどうしたらいいのかわからないくらい可愛い。その後に全力で殴られたけど、僕は満足している。

 

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「あの日か!なんていう夢見てんだよ!!」

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今日は一日中やり尽くした。アレストは気絶したように眠ってしまった。少々僕は物足りない。でもアレスに無理をかけさせるわけにはいかない。ぐっすりと眠る彼の安らかな表情を見るだけで僕は幸せな気分になるんだから不思ぎ  今扉がノックされた。客だ。というかこの感じは彼だ。こんな夜更けに来るなんて何事だろう

なんて事をしてしまったんだ僕は!!ああ!!でもかつてないほどに興奮したのも事実だ!!アレスが何も気にしていない顔で出かけたので事細かに書こうと思う。

昨晩彼がやって来た。彼というかルートなんだけど。あのルートがまた魔力を分けてくれと言って来た。拗らせるのをやめたんじゃなかったのかと聞くと、言い淀んだ。そして、僕としたいから来た、なんて言うんだ!!バカだね!!それに応えた僕も僕だけど...ああ...若返らせてやるんじゃなかった。今更後悔しても遅いけど、ちょっとかっこよくさせ過ぎたかもしれない。一番かっこよかった時代にしたのがいけなかった。一番よく抱かれた時期にしたのがいけなかった。あんな目で見られたら僕はダメになってしまう。顔だけはいいんだから。くそう。

 思い出すのが恥ずかしくなってきた。アレスの顔を見て忘れたい。記憶を塗り替えたい。でもいない。困ったぞ。

ドアを開けたら彼がいた。彼は、別段疲れた様子でもないのに魔力を分けてくれと言う。もう誰のでもいいんだろ?と聞いたら、相当渋って、僕に会いに来た、と言った。彼の表情は常に清廉で雰囲気だって健全だから少々わかりにくい。いきなり肩を掴まれて口付けされた。ご存知だろ、僕は彼の顔が大好きだ。アレストの方が可愛いから好きだけど。でも彼の雰囲気だと昔父に抱かれていた頃を思い出す。自分ではない誰かの代わりに抱かれる感覚は、少し悲しいけれど懐かしくて嬉しい。今回は僕として抱きにきたみたいだけど、彼は男もイケる口になったんだろうか。興味ないからいいけど。口付けされて、もう僕は見つめられたら陥落してしまう。アレスがいるから、と拒んだけれど、それでも彼は家の中へ押し入ってきた。壁に追い詰められて、見つめられて、少し前まで拗らせてたほぼ童貞野郎の癖に僕の扱いだけ上手くなりやがって。せっかく若返ったからって顔を有効活用しやがって。仕方がないので眠りを深くできる香を出す花をアレスに嗅がせて、抱かせてやる事になった。

離れた壁際ですると思っていたら、彼は僕を引っ掴んでアレスの寝ているベッドへ連れていく。おいおいいい趣味しすぎだろ、と今なら思う。皮肉だよ。寝息を立てる可愛いアレスの横で、ベッドに上半身を預けて、彼の良いようにされる。調子に乗りやがって僕の顔をアレスに見せつけようとする。アレスにすがって、柄じゃなく泣き喚いて、やだって言っているのに僕を責めるのをやめない。あんなに酷いことをされたのは初めてだ。もっと度胸のない奴だと思っていたのに。裏切られた気分。背徳感なんていう感情がまだ僕にあったのが驚きだけど、なんというか、すごく、興奮して、くせになる。思い出しただけで熱くなってきた。数年ぶりだけど一人でして寝よう。また今度彼を家に連れ込もうかな。なんて。思っている。

 

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勢いよく本を閉じた。

元の場所にしまった。

箱の方に何かが書いてある。

 

【観察記】

「なるほど、俺の、観察記か...だからエロいことしか書いてないんだな...?」

 

また次の機会に見るとしよう。物置を後にした。