ほうさんのお国柄

企画参加用創作ブログ。絵は描けない。文のみ。お腐れ。色々注意。

【閲覧注意】来世は玄関からどうぞ

むかーし、密入国者はサラさんに締められたりおじじに潰されたりするって話をして、それを書きたかったんだけど、描写に行き詰まり止まっていたので、せっかくなので新しい色狂い枠アダネアさんの紹介も兼ねてしまおうってリサイクルしたもの。

 

グロ系の閲覧注意。多少の下ネタ。胸糞感もあるかも。

何気に地形の描写も少し兼ねた。いつか全部書きたい。

 

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あの国には、商船の停まれる場所が少ない。海抜の低い海岸に港が建設されており、それ以外は崖が囲っている。暗礁も多く、巨大な海竜たちが住まう場所など転覆報告が多すぎて近寄れない。

 

だが、大きな商船や旅客船は停まれないが、小さな手漕ぎ船がこっそりと着くには十分な場所も、数少ないが存在している。

 

おいおいふざけた話だ俺たちゃ闇商人。誰の許可も指図も受けず、裏のルートで利益抜いて女抱いて酒を喰らって暮らすのさ!

 

そう言って頭の悪い自称闇商人達があの国に、船を漕いで向かって行く事は比較的多い。大人しく組織として商売をすればいいものを、本当の密輸に成功したらもっと金になるといって、バカみたいに向かう。

 

自分はあの国の出身で、あの国のお偉い様から、闇商人達の動向を見ていろ、という命を受けた。そして、後始末もしろ、という名誉あるお仕事も。

たいしたことじゃない。グレーゾーンの取引は、あの国の性格の悪いブスな商人の管理者が許している。自分が見るのは、完全なブラックだけ。

 いつも通り、上司から出る給料で酒場で酒をかっ喰らっていれば、あの国の出身だろう?と、胃が腐ってるんじゃないかと思うほどの臭さの口臭…いやそんなことはなかった。特に臭くはない。不細工を見ると何故か悪臭を嗅いだようば気分になる。視界も嗅覚も暴力を振るってくる。きっと滅んだ方が世のためになるだろう。ああ、そう、不細工が話しかけてくるからそれらに適当に嘯いて、アブナイ☆ルウリィド国の入国方法を教えてやればいい。これだけで今日の業務は終了だ。女性と戯れたい気分だ。今日は幼女がいい。勘違いしないでほしい、自分はロリコン紳士?とやらではない。胸が膨らんでいようが初潮が来ていなかろうが声変わりが済んでいようがなんだろうがどうでもいいし欲情しておさわりもして、責任を取る気で抱く。もう会えなくなってしまっても仕方がないという覚悟の上でだ。つまり、年齢関係なく誰でも愛する男気の溢れる博愛主義者といったところ。素晴らしい事だと思っているのだが、自分の娘はあまり賛同してくれなかった。娘がなんと言おうが、自分の精子で妻の●●●から産まれたのだから、正真正銘自分の娘だ。残念ながら君の毛嫌いしているパパの精子からできたんだぞ〜と言ったら酷く嫌悪の顔を返された。それが自分の見た最後の娘の姿だ。ああ、少しだけ懐かしい気分だ。幼女はやめて、金髪赤目の女を抱こう。自分より強かったから手が出せなかったのが少々心残りだ。

 

あー、っと、また無意識に報告書が他国の風俗店情報誌になってしまう。まぁいいだろう。自分は密輸を実際に成功させた闇商人を名乗るアホを一人も知らない。また失敗するだろう。こういうアホは沢山いてくれた方が、残った積み荷をある程度分け前で貰えるから、どんどん来るといい。風俗巡りをしているだけで給料が増える。願ったり叶ったりだ。

 

 

 

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海岸に、船が止まった。狭い砂浜と、海に突き出た足場の悪い岩場。本来なら船を停めるような場所ではない。それでも、数少ない、崖を登らずとも国に足を踏み入れられる場所、だった。

 

一人の男が積み荷を降ろせと言った。夜の暗闇に紛れるように響く事のない声で。同乗していた3人の人間の乗組員が、積み荷を岩場へ下ろし、浜へ運ぶ。船を見つかりにくそうな場所へ移動させて、積み荷を街まで運んで仕舞えば、組織に払う金も、密輸の口止め代も、関税も、何も払う必要がない。格段に上がる利益が約束されている。

 

砂浜の奥には、鬱蒼とした森が広がっている。断崖に挟まれたこの場所で、逃げる場所など何処にもない。逃げる必要もないと思っているから、こうして不法入国を試みるのだが。

 

三人は荷を背負い、荷主の男は小さな灯りを灯し、地図を見ながら、森へと入って行く。その後ろについて、三人の男も森へと入っていった。

 

夜の森は、何が起こるか保証などできない。

獣は音もなく這い寄り、触れればたちまち毒に侵されるような葉も、当然のように生えている。その中を小さな灯り一つで歩いて行く事が、どれだけ愚かな事だろう。それでも、何か気をつけた方がいい場所は小声で後方へ伝達し、しっかりと一歩一歩進んで行く。

 

しばらく歩いていると、最後尾を歩いていた一人の男が、何かに躓き、体勢を崩した。倒れはしなかったが、森に、大きな音が響いた。前を歩いていた三人が後ろを振り向き、何が起こったのかと確認する。先頭の男が持っていた灯りを渡し、最後尾の男の足元を照らす。

躓くのも当然に思える太い木の根があった。成る程、これは当然躓くだろう。視界が悪い中、足元も悪い。草が生い茂り見えない。大きく歩いて避ける事などできない。そう思える。

躓く原因はよくわかる。だが、どうだ。躓かない方が難しい程の障害だ。男達は、一列で歩いて来た。前の者が通れた場所なら通れるだろう、と。足を置く位置さえ前の者を倣うように歩いて来た。

騒ぐわけにはいかない。だから言わない。だが皆分かっている。

この根は、なかったはずだ。3人目が通るまでは。

 

なんのために、精霊達の住んでいる数が少ないという、毒草の多い森を選んだと思っている。人目につかぬよう夜に、灯りも最小限にして来たと思っている。焦りが産まれる。足音を立てぬように気を使って、周囲の音にも気を使って来た。来たはずだ。誰にもバレていないと思っていたはずだ。

だがどうだ。明らかに音がする。人の声?獣の息?違う。森が生きている音だ。地面の下を根が巡り、葉が茂り、敵意を持って近寄って来ている音だ。先導していた男の長い耳が、びくりと動いた。4人が足取りを止めたのは、そう長い間ではない。その間に、彼らの足元に何かが這い寄っている。それが、巻き付くように、脚へ。

ひぃ、と、怯える声が上がる。ああ、虫だ。虫達が、彼らの衣類の中へ入っているらしい。灯りを持っていた者が、大きな声を上げ、灯りを取り落とした。腐葉の折り重なる地面に落ちる前に、何かがその火の灯るランプを取った。それは蔦。取手に器用に巻きつき、灯りを取り上げる。

その間にも、脚には何かが巻きつき、虫のようなものは続々と衣類の中へと入っていく。思い切りもがく者もいた。もう物音など気にしない。喚く。巻きつく何かを力任せにちぎり、振り払おうとする。叶わぬまま、更に更に覆い尽くそうとしてくる森に、押さえ込まれた。一人が完全に身動きを封じられた。呻き声が聞こえる。大きく開かれた口から、何かが入っていく。苦しそうな声がした。暗闇では、仲間に何が起きているかなどわからないのだが。

 

取り上げられたランプは、ふわふわと、まるで宙を浮いているように遠ざかっていく。

良い物をみつけた、と主人の元へかける犬のような愛らしさのある動きだ。森がざわめく。灯りに照らされて、人影がうっすらとうつる。繁雑に生い茂っていた草達が、恭しく招くように道を作り、その人影を迎えた。

蔦から灯りを受け取り、近づいてくる影。先頭の男は魔法の詠唱を始めた。

迎え討つ算段を立てる。影は鼻歌が聞こえてくる程、悠々とした足取りで向かってくるのだ。

対する男達は、一人は完全に緑に覆われ体内すら暴かれて、そのほかも、声を出していないのか出せないのか、完全に身動きを封じられた状態で、身体中を這い回っていると思われる虫達に脂汗を流す。何が気づかれないように、だ。こんなもの、踏み入れた瞬間にもう気づかれていたに違いない。

 

植物を従え、奪ったランプに照らされながら、その影は商人の魔法の射程距離へ入った。今出せる最大級の大きさの火球なら、もしかしたら、焼き切れるかもしれない。極めて都合の良い流れで考えれば、不可能ではない話に思えた。男はなんとか力任せにまとわりつく蔦を振り払い、腕を、掌を、その黒い影に向ける。放出された火球は、人間一人焼き尽くすには十分な大きさと熱だった。

しかし、突如その影の前に現れた巨大な石壁には、表面を僅かに焦がすだけの威力しかなく、呆気なく散る。一瞬で火球の光は消失し、術師の表情の希望も消え失せた。壁は崩れ、呑気な笑い声が代わりに響いてくる。背後から、動ける者はもういないはずの商人の背後から、足音が聞こえてきた。振り千切った蔦は、機嫌を損しまったのか、もう首を動かす事すら許す気は無いようで。何が近づいているのか知る術はない。おそらく、土壁を出現させた、商人よりも格段に上位の魔導士だろう。

それだけ分かれば十分だ。前方からやってきた、灯りを持つ黒い男か、背後からやってきて自身の肩を掴んできた者か。どちらかに捕まるか殺されるか。そうなる事は決まっているのだから。

 

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「サラトナグ、一応、炎には注意すべきではないか?」

「君がいたからね、ルートグラン。僕が止めるまでもない」

「そうか」

蔦に覆われる侵入者。火球を放出した魔導士の肩を、鈍い音を立てて外した。二度音が鳴る。

これで、自身を燃やす以外、魔法を使うことはできなくなった。なんとも悲痛な声が響くが、二人の精霊は気にしない。せいぜい、正気のまま残された二人の人間が怯える位だろう。

灯りで照らしてやれば、酷く震えている。蔦に、虫に、身体を覆われ身動きは取れず。何よりも不法入国者である自覚が震え以外を許さない。かわいそうにねぇ。ねっとりとしたそんな声が響いた。

「僕がいるのはわかってたろう?サボるかと思ってたけど」

「...腹が減ったと蜂が言っている。それに、そろそろ宿主が必要だ」

「ああ、なんだ。ちゃんと世話をしてたのかい。そのお口の開いてる人間使いなよ」

腕がぷらんと力無く垂れる男を放置し、圧倒的な物量の緑に覆われ塊と化した物へ近づく。顔の中でも、大きく開けさせられた口だけが緑の切れ間から見える状態で、口内と外界を百足の様な生物が数匹行き来していた。

口の中で蠢く黒い甲殻。ルートグランがそれを覗き込み、頰を外からトントンと叩くと、大人しく彼等は温いその場所から抜け出す。蔦が口を強制的に開かせており、乾燥しきってしまったのだろう。掠れた痛々しい呼吸音だけがひゅうひゅうと。そこに、手足のない白いもの、がいくつか這い入っていく。それらは鋭い顎を持っており、真っ赤な口の中に入るや否や口内の薄い皮を食い破り始めた。おそらく痛みによる絶叫が、声とも言えぬ野太い喚きが、森に響く。頰の側から、小指の先程度の太さの蠢く跡が見える。それらは体内へと入っていったようだった。

 

「ああ、もう、相変わらず怖い怖い。自分がそんな喰われ方をしたらと思うとゾッとするよ

ねぇ、そうだろう」

わざとらしい芝居掛かったそぶりで、一団の中で、最も大きな荷を背負っていた恰幅の良い男に声をかけた。目も口も塞がれている。そばにいるもう一人の人間も同じく、身動きが取れぬ格好で、身体中を虫に這い回られているようだった。涼やかな夜の空気に似つかわしくない大量の脂汗と涙が、彼等の後悔を表していた。

サラトナグはコートの中へ手を差し入れ、鋭利なナイフを取り出す。金属ではなく水晶のような透き通る刃。荷の背負い帯を断ち切ると、何か言葉で命じた訳でもなく、また蔦がどこからともなく伸びてその荷を奪った。

 

「何かな?麻薬?武器? 知ったことじゃないけどね。どうせ、また別の場所に流すだけだし」

「あまり遊ぶんじゃないぞ。夜が明ける前に船も壊さねばならん」

「もう、わかってるよ。精霊だけ残しといて、あとは食べていいよ。船は壊してくる」

「わかった。ありがたく頂こう」

 

 痛みに呻く男の身体に鋭利な刃先で深紅を刻んでいたサラトナグは、そのナイフを懐にしまい込み、黒いコートを翻し彼らのやって来た方向へ歩を進める。背後からはバキバキと地面が裂ける振動と音がする。二人分の男の鳴き声が、静かに響く耳触りの良い大地への捧歌に混ざって、森をふるわせていた。今か今かと養分を待ちわびる森。歌が終わる頃にはあの大地の割れ目は口を閉じ、大いなる母へ恭しい従順な信徒からの捧げものとして、この地を脅かそうとした愚かな罪人の命と血肉を飲み込むのだ。

 

 

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「君がどうやって唆しているのかはわからないけれど、本当に後を絶たないね」

「裏取引をまともな取引と同じ港で堂々と行うなんてバカな国に違いないって思われてますからね」

「それもそうか」

「はい」

「罪人はどれだけいても使い道はあるし、歓迎といえば歓迎だけどね」

「むしろ足りてないですからね」

「ね」

 

街の裏通りの酒場。個室のように遮られた薄暗い空間。酒の入ったグラスは一つ。横並びに座る、黒いコートを纏った男性が二人。二人のコートには同じ様な模様が描かれ、片や金糸、もう一方は燻んだ白糸。作りも異なるコートではあるが、一見しただけで、その二人が何かしら関わりがあるのだということがわかる出で立ちだった。

 

「これ、荷の一部。麻薬でよかった?取り分」

「はい。むしろそれ以外いりません」

「何に使ってるの?いつも」

「キメセク」

「あっそう。下手こかないでね」

「勿論です。自分に投与した事は一度しかありません」

「使う相手は選んでよ…?」

 

黒髪に金糸の装飾のコートを着たその人物が、ふぅと息を吐きグラスを傾けた。その様子をじっと、隣に座る金髪の男が赤目で見る。

 

「他の荷は船に積ませておいたから、後はよろしく」

「事後処理だけ自分に任せるって、美味しい汁だけ啜りすぎじゃないですか?サラ様」

「それは君の方だろうアダネア。いつも君が渡してくれるこの正直すぎる報告書を見た限り、君の方が数段美味しい汁を啜ってるよね」

「サラ様は罪人の身体で遊べるじゃないですか」

「然るべき待遇を処してるだけだよ、僕は」

「ああいえばこういう。これだから年増の相手は面倒です。ね、ばば様」

「全部そっくりそのままお返しするよ、若造」

「ああ、それいいですね。ばば様みたいな生意気そうなガキのツラでそういう事言われると、結構興奮します。キメセクしません?」

「使う相手を選べって言葉をもう忘れたのかい?僕はそういう薬は体に合わないから遠慮しておくよ」

「残念です。じゃあ自分はそろそろ一物破裂しそうなんで行ってきます」

「いっそ破裂しときなよ…」

 

アダネアは椅子から立ち上がり、フードを被った。懐に入れた小さな紙包をもう一度確認し、まだ一人酒を飲むサラトナグへ頭を下げる

 

「夜寝の枕を見つけられず一人寂しく項垂れていた所お邪魔してすいませんでした」

「君が来ると思って誘いを断ってきたんだよ?仕事はちゃんとするさ」

「そういう事にしておきますね」

「…はぁ。ほんと、君に頼るのは最終手段だったんだけどなぁ」

「何か?ばば様も一物破裂しそうな感じですか。奇遇ですねちょっと一発ヤりますか」

「違う違う。それはそれでいいけど違う」

「いいんですか…やった…」

「喜ぶのかい。

…まぁ、いいか。今回の荷を処理したら、少し休暇だよ。好きなだけ遊んで、気が済んだら一度戻っておいで。大事なお話があるから」

「わかりました。薄々思ってはいましたけど」

「おや。流石」

「伊達にばば様の昔のサヤじゃないですよ」

「僕の性欲事情の方かよ」