ほうさんのお国柄

企画参加用創作ブログ。絵は描けない。文のみ。お腐れ。色々注意。

鳳凰さんと鴉坊の昔の話

妄想してた。以上だ。

 

湯天源の昔の話。

ちなみに、島自体が観光地としての湯天源という名前なんですが、旅館の名前は?と聞かれても、旅館自体が湯天源…そもそもそれしかないから…有翼人さん達は社、とか社の湯とか呼んだりしてるみたい!社の近くに栄えた街全体の事を、郷都って呼んでます。元々は孤立した場所にある神聖な社だったんですよ。自然と発展していったんですね!

 

 

 

 

 

島を降ろそう

「島を降ろそうと思う」
「できるのですか?」
「やればできる」
「なるほど」
「そこで頼みたい事がいくつかあるんだが」
「わかった。協力しますよ」
「そういうへたっぴな敬語はいらんぞ〜?」
「これでも出来る限り頑張ったんですけれど…」
「もしも同族達が帰ってきた時、お前が二番頭になる。もっと胸張ればいい」
「…わかっ…り、ました」
「坊〜!!!!わかったでええんだぞそういう時はなぁ〜!!」
「坊なんて言われる歳じゃないですが…」

 

 

 

段取りは人海戦術

「まず、補強したい」
「補強?」
「この下に何があるか知っとるか」
「下の世…」
「そうだ。俺もよぉく知らんがな。なんかが絶対にある。そんでもって、それを潰す事になるのは確実だ。こっちが壊れたら困る」
「島の外壁補強かぁ」
「炙りたい。各所に俺の羽を置いてくるだけでいいが、落ちるかもしれん。やれるか」
「やれと言われれば、なんでも」
「俺は社から一日以上離れられん。坊だけが頼りだ。頼んだぞ」
「…どれだけかかるか知らないけどね」
「一人だからなぁ。増やすか?」
「…」
「冗談とは言わないけどな、俺も子育て手伝ってやれんしな。現実問題不可能だ」
「俺が産むの確定なんだ…」
「俺が抱えられると思うか?できないだろ!あっはっは!!!」
「とりあえず頑張らせていただきます…」

 

 

 

言わないだけ

「あとは…廃集落をどうするかだな…」
「言わなくてもわかってると思いますけど、同族は全滅です」
「ガラクタでも残っとるもんはあるだろ…賊には価値がわからんもんもな…これは俺がある程度はやるが、羽を置きに行くついでに遠くを見てきてくれ」
「了解しました。重くなりすぎないようにしないとな…」
「この2点、遠出が必要なもんはやってもらいたい」
「使いっ走りは慣れてるから、大丈夫」
「そんなつもりじゃないぞ!?」
「わかってますって。ははは。あとはもうないですか」
「あーとーはー…あぁ!あるな!俺の羽根掻き!!」
「…それは…えっと…」
「自分の羽は集めとるがなぁ、島を囲う点数分は足りんからな!梳いて集めてくれ!ちゃんと坊の羽根もやってやる!」
「俺、したことないから、多分下手ですけど…」
「構わん構わん!…それになぁ、今は、他の手が恋しいからなぁ」
「…そうですね」

 

 

 

坊は坊

【数年後】
「途方も無い量だと思ってたけど、案外終わるものなんだね」
「たすかったぞぉ鴉ぅ〜!!なでなでしてやるっ!こいこい!!」
「いつまで巫覡様は俺を子供扱いするんだろうか…」(なでなで
「あとは儂の仕事だな!任せておけ!しばらく寝てるといい」
「…ふぁー」
「うんうん、あ、来週頭に神事だぞ」
「えっ準備してないよ寝てる場合じゃないじゃないか…狩に…」
「今日は寝とれ!!準備は手伝ってやる」
「はぁ…ぃ…」
「うーん、いや〜…これはこどもじゃろー」

 

 

 

ご対面

「下に降ろしたら、どうなるんだろう」
「さぁなぁ。わからんが、数えきれんくらい死ぬかもしれんな」
「それでもするんだね」
「…同じことだからな」
「ごもっともです」
「祖の地を知らずに死ぬ同胞は、少しでも少なくあってほしいだろ?」
「それもまたごもっともです巫覡様」
「できればこの長い時の間に滅んどってくれたらいいんだがなぁ」
「どちらにしろ滅ぶんなら、せめて手にかけたくはないね。エゴなんだろうけれど」
「儂らにも、それくらいを願う権利はあると思うんだがなぁ」
「まだ怒ってるんだ」
「怒っとらん」
「仲間思いのゾメさんらしいと思うな」
「儂は自分の醜い感情を正当化しようとは思わん」
「そういうところもらしいな、って思うよ」
「…降ろすぞ」
「ああ。わかった」

 

 

 

ここからが本番
「下の世、無かったなぁ」
「なかったねぇ」
「…なんというか、暑いな」
「暑いね…」
「空にいる間に動いたのか…?それとも真下から来たわけじゃ無い…?いや後者は…(ぶつぶつ」
「殺さずに済んだんだ。もう…いいんじゃないかな」
「…そうだな!復讐が目的でもない!よし鴉!再建を続けるぞ!」
「どうなろうと一番大事なのは肉体労働なんだもんなぁ。いい汗流して入るお風呂は最高だっと」
「そうだそうだ!うーしっ、知名度向上計画開始するぞ〜いいか〜」
「やる事は尽きないな…俺は早く住処でゆっくり過ごしたいよ…巫覡様は昼間にしか起きてないから大変だ」
「軌道に乗ったら好きにすりゃいい!儂は心配だから近くにおってほしいがなぁ」
「嫌だよ。俺はそんなに他者が好きじゃない」
「無理には言わんが、つれないのぉ」
「…毟られたく、ないからね」
「おぉ、自分の翼を大切にできるようになれただけ進歩だな。よしよし!」
「…はー、ほんと、貴方様には敵いません」
「あっはっは!ほれいくぞ鴉!!接着剤が足りんぞ〜」
「まだまだ使いっ走りは長そうだなぁ」

 

 

 

もっと妄想です。
鴉さんの生態説明
鋼蟻
「ハガネアリ。水が苦手で、温泉や泉が少ない島の外周に主に生息している、地中に巨大な巣を作る六本足の虫、まぁ蟻だね。
大量の粘液を出して土を固めて頑丈な巣を作るよ。凄く丈夫に固まるんだけど、水に当たるとネバネバしたものになって溶けちゃうんだ。その代わりに熱にはとても強くて、熱で硬化する。この島は火のエレメントがとても強いから、地中の熱で硬化して少しの雨くらいじゃビクともしないものができるんだ。

俺たちはこの蟻の巣を少し削って、水とよく混ぜて溶かして接着剤にして、最後に火を当ててカチカチに固めるっていう方法で家とか、いろんなものを作ってたんだよ。すごく軽くて丈夫な器とかにもなるんだ。今では蟻そのものを飼って粘液だけを出させて、いろんな素材と混ぜたりもしてるよ。

島を降ろす時に外周を炙ったのは、この張り巡らせている巣を固める為だよ。火の通り具合によって周りがぼこぼこしたけど、まぁ無事に降ろせたからいいんじゃないかな。今残ってる部分は全然水を通さない硬い岩みたいになってるよ。すごいよね。

捕まえて帰ると店によっては買い取ってもくれるみたい。でも手にくっついて太い顎で噛みつかれたりもするから、正直、おつかい、にはオススメできないかな。割りに合わないね。でも粘液が甘くて美味しいんだ。街にも売ってると思うよ。よければ食べてみてね(水飴みたいなものです)」

 

 

 

巫覡様のうんちく

鋼蟻

「鋼蟻の粘液はいろんなもんに使われとるぞ!相当に火を通せば水を一切受け入れなくなるが、ある程度に留めておいて薬草と混ぜて保存が効くようにしたり、ガラス細工のような芸術品にもなる!飴玉にもな!建材にも防水剤にも、日用品にも工芸品にも…何でもかんでも使う!そしてそんだけ使ってもなくならんだけの速さで巣を作るんだが…そのおかげで集落によっては害虫にしとったくらいだ。共生ってのは、やっぱり難しいもんだな」