ほうさんのお国柄

企画参加用創作ブログ。絵は描けない。文のみ。お腐れ。色々注意。

没。

大体僕が没にしてるのはこういうやつやぞっていう晒し。意味がわからないやつ。つまらないやつ。ただの供養晒しですぞ。

 

 

夜が明けて太陽が顔をのぞかせる。ぱたぱたと廊下を走る足音が聞こえ始める。早朝、赤い翼を大きく開き、巫覡は目を覚ます。身体を横たえて眠った記憶はそう多くない。座ったまま、翼で身を覆い眠る。いくら身を守られている屋敷の中であっても、本能か深い眠りにつくということは少なかった。

課された唯一の職務は、一族の存続を、繁栄を、発展を願い、毎朝癒しの薬を捧げること。大きな体を立ち上がらせ、翼を持ち上げる。重さのせいで飛ぶことは少ないが、せっかくの恵まれた立派な翼だ、たまには使ってやらないといざというときに役に立たないか、とため息を吐く。
何人かの従業員とあいさつを交わしながらすれ違う。歳も種族も様々。生い立ちも、出会いも。一人一人の顔色を確認し、幼いものは撫でてやる。管理者はいいところに、と抜け目なく書類を手渡してくる。気づけば彼らは何を命ずることもなく運営を担っていた。長い道のりであったが、その歩みは穏やかなもので。小さく、確実に積み重ねられてきた努力であった。そして今も昔も変わらない、毎朝の儀。清水で身を清め、いつの日か窮屈になっていた堂の入り口を潜る。無数に並ぶ棚、調薬の材料の数々。長い時をかけて集めてきた巫覡の薬棚は、まさしく巫覡の座に就く者にしか判別すらつかぬものだろう。

いついかなるときも、この堂に居る間が、もっとも心穏やかになる時だった。どれだけの間通い続けたかもわからぬ堂が、きっと母の胎よりも安心しきれる場所だった。いくつかの素材を取り、鉢にいれ、凛と座し。砕き、混ぜ、燻り、練り、篭め、願い、祈る。何と対話しているのかも分からぬ無心の時。終わった、という確信を持ってのみ、終わりを告げる。その日初めて身にいれるものは、必ず己の調薬したものであること。それが巫覡の己に対しての決め事であった。静かに口を開き、己を込めたものを食む。自身を以って完成したものを評価し、そして、神へ捧げる。正座し、頭を伏せ、祝詞を捧げる。長く長く、一句一音に信心を込めて。もう一度顔を上げたとき、その表情は凛とした佇まいというよりかは、何かの荷が降りたような清々しいものだ。それが己の食んだ薬剤によるものか、それとも神の寵愛かはわからないが、軽くなった体はまた、一日の活力を感じさせる。

もう一度清水を飲み、礼をして堂を後にする。待ち構えているように何名かの管理者たちが顔をそろえていた。いつもの光景だ。中でどれだけの汗をたらし没頭しても、あるいは天啓か調薬が即座に完了しても、どれだけの疲労感があろうとも。何も一致せず、己がこの堂から出てくるまでの時間は常に同じだという。管理者達は特に待つこともなくその頃合いを見てやってくるのだ。別段何か変わったことのない離れの木造の堂だが、その場所は毎朝、巫覡をどこかへ攫っている。その神隠しこそが寵愛であると知る鳳凰は、何かを感じることもなく悠々と過ごす。作ったばかりの薬包を預け、今度は何を作ろうかと思案する。同じことを繰り返す毎日に、一つでも多く笑顔が成る様に。悪戯に想いを馳せて

 

 

ここで没である。途中で何度か方向修正しようとしたら形跡が見えるがもう無理だ治らんやっぱあかんな。ってなった。

何故かパソコンで書くと没率が高い。距離感というか文字の感覚が…合わないのかな…