ほうさんのお国柄

企画参加用創作ブログ。絵は描けない。文のみ。お腐れ。色々注意。

【閲注】わかめしゃんと変態お師匠様

師匠がすげー変態になってしまった…予想外だった…でも変態だった…染しゃんがかわいい…

 

o-osan.hatenablog.jp

 これのあとで引き取られた感じ。巫覡様の威厳が完全に消え去った。

 
 
キャラ設定
 
わかめしゃん
巫覡様こと緋染さんの若いころ。というか幼いころ。7歳~。まだ性別が明確に出ていないころで、とても中性的な可愛い子だった。今はおっさんなのにね…。
凄く冷たいっていうか…淡泊。知識量は半端ない。今はすごくいい人な感じのおっさんなのにね…。
世界が嫉妬するほどの薬作りの天才なんだけど…いやそれは今もなんだけど、天才故にか…努力もする天才で努力感がない天才だから…凡才の気持ちがわからないタイプの天才。今はわかるし励ましてくれるおっさんなのにね…。つまりは緋染さんの黒歴史の時代だ。
 
 
お師匠
当時の巫覡様。ぞめさんが弟子入りした時に7年連続で巫覡をしていて、当時の連続最長記録の保持者だった。その前からもちょこちょこ巫覡だったりして、とても才能あるお方だった。男性型だったけどそこそこ中性的な感じ。ショタコンロリコン?いや緋色の綺麗な子がタイプなんです…ほんと…それだけなんです…才ある者に惹かれてしまっただけでそんな犯罪予備軍者じゃないですよ…ほんとですよ…
 
 
当時の湯天源
まだ空に浮いてる。有翼人もいっぱいいる。集落とかからは大分離れたところに建つお社に二人で暮らしている感じ。ちょっと離れたところに召使さんとかの住む場所がある。本当はわかめしゃんもそっちに住むはずなのだが…巫覡様がお傍に置いてしまった。
 
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鴉「巫覡様のお師匠様ってどんな方だったの?」
巫「お師匠?…あー、お師匠かぁ…変な人じゃったなぁ…嫌いではなかったがなぁ…」
「変な人だったのか…でもすごい人だったって言ってたよね?」
「おー。すごい人ではあったぞ。でもやっぱり変な人じゃった」
「そっちが勝つんだね…」
「どうしてもな…」
 
 
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弟子入りして直後
 
「ひっ、ひーぞめっ♡ナニしてるのかなー?お師匠に教えてくれないかなー?」
「…」(ガリガリ
「親御さんから離れて寂しくて打ち込んでしまうのもわかるよ…?でも…いや、君はきっと天才なんだろうが…」
「…」(グツグツ
「…三日君は一切口を開かないが…こんなに友好的に話しかけても反応しないのか君は…」
「…」(コツコツ
「食事は…どうかい…?」
「…作った物を食べてますから、大丈夫です」
「喋った!!!」
「…おれは調薬を学びたいだけですから」
「…それを作ったら、私に見せてごらんなさい。そして食事にして…風呂にはいろうじゃないか…」
「…はい」
「君を引き取るとき確かに一度は断ったが…一応、師となることを請けた身だ。責務は果たす。遠慮はいらないさ…」(肩に腕を回す
「それはありがたく思いますよろしくお願いします」(動じずお辞儀をする
「(こちらこそよろしく)かわいいじゃないか…」
「…どうも」
「あっ本音がでてしまった…」
「…」
 
 
 
 
 
弟子入りしてからちょっと経った頃
 
「緋染…君の翼油は…実によい香りだね…」(くんくん
「はぁ」
「声は小鳥の囀りのように愛らしい…」
「はぁ」
「何よりなんと美しい緋色…こんなにきれいに染まった髪も…羽も…見たことがないよ…素晴らしい…」(もふもふ
「あっ」
「(どうした大丈夫か!?)感じた!?」(ガタッ
「…髪が入りました」
「あぁ~それじゃあ最初からだね…大丈夫…しっかり見てあげるからね緋染…」(はぁはぁ
「お師匠が髪を触るから…」
「何も落ちないように抱きかかえてあげてもいいんだよ緋染…?」
「…」
「眼も美しいな…」
「…お師匠がそれでいいならいいんですけど」
「構わないさ…何も構うものか…」(はぁはぁはぁ
「…」
 
(副音声(?)が聞こえてる時点で仲は悪くない気もする)
 
 
 
 
もうちょっと経った頃
 
「髪を伸ばすと良い」
「…何か関係が?」
「似合う」
「…はぁ」
「いや、結んで纏められる方が楽だろう…?それに、ほら、巫覡は皆髪を結う伝統がある。君はまだ7つで…神事に加わるまでにはまだ時間があるが…私もいつ君に巫覡の座を奪われるかわからないほどに君は調薬に秀でている…今の内から伸ばしておくといい…」
「…そこまでおれを買ってくださっているとは、思いませんでした」
「買っているとも…だからこんなにも…世話をだね…?」
「髪を拭くくらい、できますが」
「いやいいんだよ緋染…君は幼いんだ…私が保護者なのだから…私がやってあげなければ…」(はぁはぁ
「…」
「さぁ寝巻を着ようね…寝巻を…君は肌まで細やかだ…」(ぽたっ…ぽたっ…
「お師匠、鼻から血が出ています」
「逆上せてしまったかな…ズズッ」
「捨てるくらいなら薬瓶に…」
「わ、私の血を使いたいのかい…♡君が使いたいなら鼻血でなくてちゃんと採血するよ私は…」
「傷つく必要はないかと…」
「なんて優しい子だ…今日は一緒に寝よう緋染…」
「逆上せたならそれはやめておくべきだと思います」
「明日朝一番の調薬を見せてあげよう緋染…」
「早くねましょうお師匠…」(袖くいくい
「ああっ、君から布団に誘って…!!」
「…」
 
 
 
 
朝一
 
「おはようございますお師匠」
「おはよう緋染…」(くんかくんか
「…」
「君の羽は…まだ若いな…柔らかい…実に柔らかく…しなやかだな…大きく育つ羽だ…」(さわさわ
「起きないのですか」
「もうちょっと…」
「…」
「昨晩は…風呂に入ったのに…翼油を塗らなかったね…今日しっかり塗らないと…」
「…必要ですか」
「必要さ…死活問題だよ翼の手入れは…君の翼は私がやるから私の翼をやっておくれ…」
「…やりかたが、わかりません」
「しっ、しっかり、教えてあげよう…!!」(ごくり
「それよりも調薬を…」
「もちろん…うん、もちろん…でももう少しだね…」(くんかくんか
「…」
「はぁーっ、はぁーっ…至福の薫り…」
「…そんなにおれの翼油が好きなら好きなだけ採ってください」
「いやこれは君の…体温で揮発して…いや…貰えるなら貰うが君でないと意味がないんだ緋染…」
「…付け根を、」
「うん…?」
「付け根を、あまり、ほじらないでくださると…いたいです」
「ウッ…」
「…お師匠?」
「心が痛んでしまった…すまない…すまないね…うん…起きよう…手伝ってくれるなら湯の用意をしてきてくれるかな…」
「…はぁ」
「いやだめだろう…まだ七つだぞ…何をやっているんだ私は…せめて十は待たねば…神罰が下るぞ…だがしかしだな…」(ぶつぶつ
「…」
「ああ緋染…そうだ…おいで…君の目にも緋墨を入れてあげよう…筆で入れるのが巫覡の示しだが…ふふ…私の指でね…うん…私の弟子の証だ…よく似合う…唇にも差したいな…とてもかわいい…頬が柔らかい…毎日…これから毎日私の指で君の肌を撫でよう…」(ハァハァ
「…」
 
 
 
 
 
調薬時
 
「お師匠は湯を使う調薬が多いんですか」
「そうだね。癖になってしまった。捧げる際の形態は何でも構わないとされているが、水との反応で効能が変わってしまうことがあるかもしれないから。私は初めから薬湯、液体の形態で完成するように調薬している」
「…なるほど…」
「…君の翼油が欲しいというのは嘘でもないんだ…私は動物系の扱いの方が得意でね…君ほどの緋色は見たことがないから調べてみたいという欲はある」
「…でしたら、どうぞ。お好きに…」
「…終わったら…」
「はい。終わらせてください」
「冷たいな…そういうところがまたそそるんだ…上擦った囀りを響かせてやりたくなる…ええと…鴉の嘴…」
「調薬中は口がゆるむんですねお師匠。お師匠、鴉の嘴は初めてみました」
「熱したときに赤味が増す嘴がより良いものとされているから、まずは火に当てるんだ。先以外殆ど変色しない嘴は…使えるところが少ないな」
「熱することで変質は起こらないのですか?」
「起こらない。すぐに色は戻る。先の方から赤く染まるから、その範囲だけ削って使うんだ」
「はい」
「できるだけ細かい粒子にしなさい。効果は強いが大きい粒だとほとんど意味をなさない」
「熱する温度はどのくらいが…?」
「…熱すればそれ以上の変化はない。極めて高温を用意できるならまだ違うかもしれないが、火で熱する程度ではそれ以上の変質を確認したことはない」
「灰の効能は?」
「…君は、炒る、熱するのが得意だったな」
「はい」
「残念ながら私の扱えるエレメントは水だ。高温に関しては、実に、不得意なんだ」
「…煮出しによる水の変質…微細な粘度の特定…ですか?お師匠の得意分野は」
「そう。よくわかったね緋染。絞ったり煮出したりが混ぜたりが私の専門だ」
「学ばせていただきます」
「勤勉だね…さぁもっと近くで見るといい。次は乙壺の実を加工するよ…」
「貴重な品ですよね。すごい」
「また…私の薬棚を見せてあげようね緋染…きっと君は楽しめるだろう…」(肩を抱き寄せる
「果肉と種子…初めて現物をみました。小梢様(ちょっとした有名人)の著作でしたよね乙壺の専門書は…」
「動じないね…うん…小梢様は果実の扱いは一級線のお方だ…」
「果肉に含まれる毒の処理が難しいと…種子の細かさと脆さが扱いにくさを増幅させているとありました…確かに細かい…この中の成分の薬効が毒を相殺するだけの…」(ぶつぶつ
「…あの書では実の扱いを諦めて幹から採った樹脂に含まれる同じ成分を利用する方がいいとあったね」
「はい、ただし多くの不純物が混ざり、そのほかの材料との混ざりにくさから発展をさせ辛いとも…」
「樹脂元来が持つ薬効成分は相当なものだ。むしろ何かを足す必要すらない。よりよい精製方法を考えた方がいいんだろうが…どう足掻いたところであの樹脂の性質上混ざりにくい。最上を目指すには、足りないな。小梢様もそう記していたが、その方法は書いていなかっただろう…?」
「あの書は小梢様の持つ技法の中でも大部分を占めているのだと思いました。他の書、他の材にはもっと詳しく利用方法があった…」
「小梢様が出す薬は乙壺の物が多い。流石に自分の専売特許を表に出すわけがないという事だろうね…」
「…おれはまだ、どのような薬を他の方が作られるのかみたことがありません」
「三年後が楽しみだね…それまで君は私だけを識ることになる…ふふ…小梢様のあの薬は間違いなく樹脂製ではないね…種子からの精製法をわかっている…」
「…お師匠も、?」
「勿論だとも…伊達に巫覡じゃないさ…見直したかい…?」
「…」
「…緋染?」
「形質が違う…樹脂じゃない…種子は細かく…その中身が…果肉と剥離…磨る…?いや種子の殻と混ざる…お師匠が気づく…水…?保管形態が乾燥………吸水?」
「…緋染、きみは、」
「一度乾燥させて種子内から果肉の毒素を排出し真水を吸水…果肉を溶かし剥離…そのまま吸水した種子が肥大化するのなら…?圧をかけ亀裂だけいれて中身を絞れば…?」
「…驚いた。一瞬でたどり着くとは」
「…そうですね。でもきっと、おれの予想が正しいなら、もっと、楽に純正な成分だけを取り出せる」
「…まさか。そんなわけがないだろう。それに今も連想しただけで君は行っていない。…実際に行い、見る、感じる以上の物はない。理論は出来ても実践できねば意味がないのだから。さぁ、次の素材はね…」
「…」
 
 
 
 
 
 
ご褒美タイム(師匠の)
 
「羽は妙薬、血は不老…肉は不死を与える…堕ちた緋の鳥は争いを産む厄災の鳥…」(なでなで
「…」
「きっと君のような美しい鳥だったんだろうね…違いない…触れているだけで癒されるようだ…」(もみもみ
「…本当に、その言い伝えは、本当、なのでしょうか」
「んん…難しい話だね…私は信じていないよ。大方、その時下の世に落ちた者の調薬の知識が当時の下の世の水準より遥かに高かったから崇められたとか、その程度の話だろう…もしも本当なら、その鳥はきっと心の臓まで喰われたに違いないだろう…?その話がこの地にまで渡ったということは、その鳥は生きていたのだから…」
「…そうですか。残念です」
「そうかい?」
「本当にこの体にそれだけの効能があるのなら、きっと、世は、輝くでしょう…?」
「…あぁ緋染…君は…優しい子だ…本当に優しい子だね…」(さわさわわ
「ひぁっ」
「はぁ…わかるかな…付け根と…翼の頂点…先…この三点がね…翼油の分泌される場所だからね…」(さわもみさわもみ
「あの、あの、」
「力任せに絞っても出ないんだよ…まずは全体をもみほぐしてね…付け根を…あぁ…もうぐちゅぐちゅだね…若いな…翼を動かすよ…?力を抜いて…?ああ柔らかくて柔軟な羽…しなやかな翼…こうすると羽先まで翼油が送られて満遍なく塗れるんだよ…気持ちがいいだろう…?」(もみもみ
「…う、うう…」
「声を我慢する必要ないんだよ緋染…?ふふ…私は翼梳きの腕には自信があってね…まぁ調薬の上手い器用な者は皆上手い気がするな…うん…つまり私は上手い…」
「…かあさんは、こんなじゃ、なかった…ぁ」
「私は君を心から愛しているからね…愛でたくて仕方がないのさ緋色の子…さぁ…君は言ったね好きに採油してもいいと…お言葉に甘えて…足腰砕けるまで絞らせてもらうよ…?」
「…おししょ、」
「ンフッ、なんだい…なんだいその可愛い呼び方は…もっと囀っておくれ私の緋染…」(じゅるるる
「…よだれ出てますよ…」
「おいしそうで…」
「…」
「小さい翼は動かしやすくていいな…私のひめちゃん…ふうふふ…ひめちゃん…かわいいひめちゃん…」
「なんですかその呼び方は…ぃ、」
「可愛いだろう…?うん…ずっとそう呼びたかったんだ…ひめ…ううんいいな…ひめ…塗り終わったら私のもそのかわいいおててで撫で擦ってくれ…はぁ…はぁ…」
「…はぁ」
 
 
 
 
一年たったくらい
 
「…お師匠、社の前に、誰かが」
「神事の季節だからね。準備に来た各村の翁たちだろう。しかし、そうだね…私も準備をしないとな…」
「…また、お師匠は、巫覡に、なられますか?」
「勿論だとも…だから荷物をまとめる必要はないよひめ…来年も共にこの社で暮らすんだ…その為にならいくらでも巫覡になってみせるさ…」
「社まで奉納に来られるのは前年の湯頭6名と巫覡様だけなんですよね。おれも皆様の奉納薬をみてもいいでしょうか…?」
「ふふ、私の渾身の愛情を見事にやり過ごしてくれたね…構わないよ…私が許そう…」
「ありがとうございます…巫覡様がお師匠で良かった…」
「今初めて感謝されたような気がするね…これでも私は偉いんだぞ…君には骨抜きになってしまうが…仕方がないね…感謝ついでになんでもしていいとか言ってくれてもいいんだよひめ…」
「…それが必要なら、おれはなんでも構いませんけど…」
「いや必要じゃないんだ…残念ながら何一つとして必要でない事がしたいんだよ…毎朝君の薫りを嗅ぐのは体調管理の一環として必要だからあれはいいんだ…うん…必要…」
「翼油で体調がわかるのですか…?」
「いや私の体調管理にあの日課が必要なんだ…嗅がないと私は胸が苦しく眠れない…」
「その理由が許されるなら…なんでもいい気が…いえなんでもなんです。ご自由になさってください…」
「とりあえず嗅がせて欲しい…」(はぁはぁ
「…はー…」
 
 
 
 
 
神事当日夜
 
「…巫覡の引き続きの御襲名、おめでとうございます…」
「当然だね…当日はとっておきの材料を使うんだよ…ふふ…祝ってくれてもいいんだよ私のひめ…こう…色々と…」
「羽梳きでもしましょうか…?」
「あー、堪らないな…それは堪らない…が…もっと別のだね…いや忘れてくれ…」
「…お祝いとは、違うものですが…」
「…これは?」
「奉納はできませんが…今おれが作れる…一番の力作を…作りました」
「…こそこそとしていると思ったら…学ぶだけでなく作っていたのかい…」
「巫覡様用の棚のものは使ってません…よければ、御判定、お願いします…」
「…いただくよ。…匂いだけでは材料がわからないな…」
 
ごくり
 
「…いかがでしょ「如何様に作った!!??」ッ、あ、」
「はっ…すまない、すまないね…取り乱した…なんだこれは…なんだ…?緋染、なんだこれは…この味は…この感覚はなんだ…?力が漲る…しかし…しかしこれは…」
「…」
「本当に御堂の薬棚を使っていないと…?ああ、あそこは巫覡しか入れないんだ…信じる他ない…信じるとも…」
「お師匠、」
「黙っていなさい緋染。この複雑な構造はなんだ…?舌の痺れがあるな…毒物…?味覚の麻痺で特定ができないのか…!くそッ…なんだ…何が混ざって…なんだ…!?くそ、くそ…!!」
「お師匠、」
「…調薬の手順書は書いたかい?」
「…はい。見ていただこうと、思って」
「…」
「…お師匠?」
「馬鹿を言うな」
「…」
「精々…一度に扱えるのは…30種が限界だぞ…?それ以上は破滅行為だ。何が何と相反し副作用を悪化させるかわからん」
「…でも、」
「62など、ありえん」
「…」
「偶然だろう?」
「…そうかも、しれません。偶然、副作用の起きない組み合わせに、なった」
「そうだ…それになんだこの精製法は…見たこともない…教えてもいないな…?膨大な手順も…完全に、独学の範囲での行動だ。毒物も入っている。確立された理論外の調薬で毒を扱うなど、そんな危険な真似をしていいなど言っていない!」
「でもほんとに成功しました!!」
「それが偶然だと言っているんだ!!君のしたことは師に服毒させたと同じことだ!」
「そのようなことはしておりません!全て計ったんです…!」
「先人達の研鑽を踏み躙ると同じ事だということを…!!」
「ッ、う、」
「あっ、」
「おれが、正しいじゃないか…!!事実、おれがより正しいものをつくったのに…!全部、全部確かめなおして、少しでも、すこしでもいい方法を見つけなおしたのに…!」
「緋染…それでも私たちの積み重ねてきた技法は、由緒正しきものだ。敬意を示し受け継ぐことが伝統だ。紡ぐことが大切なのだ」
「何が伝統だ!!履き違えているのはお師匠たちの方だ!!神の意思を元にした神事のはずなのに!!いつから由緒正しき伝統はただのままごとになったんだ!!お師匠なら、お師匠なら…わかってくれると思って、みせたのに…!!」
「君はハナから伝統技法を使う気がなかったと!?」
「使いました!理論だって、すべて、読んで、理解して、試しました!でも最善があるのなら、伝統なんていう理由で使うのは馬鹿らしい!!最善の、最良の、最高を、常に考え続けるべきだ!!そうするべきなのです!!」
 
「…」
「…」
 
「…君を、間違っているか、正しいかと、決めることは私にはできない」
「…」
「そうだね、正しいか否かを決めるのは、私ではない。巫覡である私でも不可能だ。それを決めるのは神。御方しかいない…」
「おれは、なにもおかしくないです」
「けれど私は、君を不遜の徒として見る」
「…そんなの、関係ないです。おやすみなさい、巫覡様」
「…ああ、おやすみ。緋染」
 
 
 
「紛うことなき天才…だが。私は巫覡として、その才を認めてやることは出来ない…私は君の師でなければならない…ああ緋染…愛しき緋色の子…私は君の師でいたいのだ…」
 
 
 
 
 
 
それから数日~数週間後
 
「…」(がりがりがり
「…」(ぐつぐつ
「…」(とんとんとん
「…緋染や」
「…はぁ」
「今は、なにをしているのかな…」
「…」(ぱきぱきぱき
「…録留めはないのかい?」
「覚書、ていどなら」(渡す
「…ありがとう。口をきいてくれて…」
「…」
「…緋染、緋染、」
「…なんですか」
「触れてもいいかな…」
「…ご勝手にどうぞ」
「くぅ…なんと芳しい…君は…調薬の記録を書き留めないのだね…」
「…やり方が、決まってしまう気がして、嫌なんです」
「そうかい…」(くんくん
「…」(かちかちかち
「緋染…私は君がいないともうだめなんだよ…ろくに寝れやしないのだから…私の可愛い緋染…うう…」
「…」
「私は君の囀りを永遠に聞いていたいだけなんだ…緋染…」
「巫覡様」
「うん…?」
「日頃から陰茎を勃起させて擦り付けたり卵を食事に混ぜていることは気が付いてますよ」
「ン”ン”ッ!?」
「住まわせていただいてる訳ですし、薬棚も自由に使わせて貰えてるんですから、おれはなにも文句はいいません。こうやって撫でまわされる方が面倒なので、勝手にどうぞ」
「違うんだ…違うんだよ緋染…そうじゃないんだ確かにいやね何も弁解の余地はないのかもしれないのだけれど」
「もう一年経ちましたから流石に…」
「アーッ!!ずっと前から気が付いていたなら言ってほしかった!!」
「気が付くも何も…何故巫覡様は精通も排卵も来ていない神事にも加われないような稚児に繁殖行為の欲求を抱くのかと不思議に思ったくらいです」
「ングフッ…」
「そういうのよくわからないですけど、変態、っていうんですよね。興味ないですから別に引きませんよ。勝手に…巫覡様?」
「ふっ、ふふっ、精通も、排卵も、来て、ない、のか…そうか…」
「…まだ八つですから」
「私は…ウン…君を…緋色の君を愛しているが…愛しているからこそ…決して!!決して手は出さないと誓おう…」
「どうでもいい…」
「せめて十になるまでは…決して…絶対…スゥー…ハァー…何もしない…それは異常者だからね…正々堂々だね…君が…十になったら…ちゃんと…」(くんかくんか
「…その時に、ちゃんとお師匠でいてくださいね」
「…!」
「おれは、絶対に手を抜かないですけど。でも、うん。おれ、お師匠の事嫌いでは、ないですから」
「私も愛しているよ緋染ぇぇ♡」
「おれはそんな事一言もいってないですけど…」
「ひぞめ♡ひぞめぇ♡」(すりすりくんくんはぁはぁ
「…ちゃんとしたお師匠で、いてくださいよ。ああ、うっとうしいですお師匠…」
 
 
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「こんな方だったなぁ…」
「大分…やばい感じなんだね…」
「この後はどんどん不仲になってしまってなぁ…」
「仲よくなる流れだったと思ったんだけどな…!?」
「そうかのー?儂はその頃からどうなるか…ちょっとわかっとったからな…思い出してみても、ここからどうにかはならんだろうなぁ」
「染さんも相当スレスレな子だった頃があったんだね。成長って怖いなぁ」
「お前もそんなもんじゃろ鴉ゥ」
「俺はそんなギャップはないよ」
「いやお前初対面最悪だったぞ。スレッスレだったぞ。儂はお前がこうしていい子に育ってくれてほんとぉーに嬉しい!!」
「まぁ染さん…染さんのお師匠さんみたいな事一切しなかったし…大事にされたよ。ありがとうね」
「ぐすっ、これが娘が嫁に行く感覚なのか…」
「いつから染さんの娘になったんだ俺は…いい歳して泣かないでよ…」
「ピィヨ…ピィ…ピョィィ…」
「相変わらず鳴き声が小鳥だね…それは囀りって言われるよ…」
「ピィ…続きも話すか…?もう一年…」
「今までの話で一年間しか経ってないんだったね…ここまで聞いたら気になるしお願いします…」
 
 
 
 
続く