ss:サラとアレスで仲良しこよし
ss
どろぼうねこ
「なぁ、あんたが使ってる草は一体何なんだ」
「え?大体蔦だけど...」
「そうじゃなくて、他で見たことがない。自生してるのか?名前は?なんで毎回いきなり俺の後ろに生えて来る?」
「ああ、自生はしてないよ。みんな、僕の娘達。名前はくれた人の名前をつけているよ。毎回君の後ろに生えるのは...なんでかな。僕が指示する事もあるけど、嫉妬じゃないかなぁ。僕とおしゃべりしてる事への」
「なるほど、あんたの意思じゃないのか」
「そうそう。だからそんなに怒らないでくれ。いやはや、宙吊り状態でも様になってるよ、アレスト」
「さっさと降ろせや!!!」
おもてになる
「アレス、君は普段街でどんなことをしているんだい?」
「は?買ったり売ったり話したり、当たり前のことをしてるぜ?」
「そうか...いやなに、人間の普通の暮らしを殆ど見たことがないからね...想像がつかない」
「なんだ、そんだけ生きててしらねぇ事はあるのか。今度一緒に街に来るか?暫く暮らしてみろよ。結構面白いと思うぜ」
「ええ...そんないきなり一緒に暮らそうだなんて急すぎやしないかい...照れるなぁ」
「一緒に暮らすとは言ってねぇよ!暫く住んでみろって言っただけだろ!第一俺も街に家はねぇよ。宿屋暮らしだ」
「そうか。実際はウロウロしてるもんね。成る程。夜の港が多いんだね」
「その言い方はどうにかならねぇのか色情狂」
おこちゃま
「この前泉の村へ行った時に、君が子供達とよく遊んでいるという話を聞いたよ」
「ああ、確かに寄ったらよく遊ぶぜ。いいよな子供は。無邪気でよ。可愛いし、よく懐いてくれるしな」
「その理論でいくと僕ともたくさん遊んでくれないと困るんだけどなぁ」
「よぉし自分によく問いかけてみろ?無邪気で可愛くてよく懐くか?」
「うん」
「そんな真っ直ぐな目で...」
うるうるおめめ
「あっくん帰っちゃうの?次はいつ来る?」
「あっくん言うなや。しらねぇ。近くに来たら寄る」
「次はどこまでいくんだい?」
「リード島の方まで行くぜ。最近いい品がねぇからよ」
「そっか...僕が家をあけてるかもしれない...何年後かになるかもしれない...さみしいなぁ...」
「...」
「君以外にお話ししてくれる人、いないんだよなぁ...さみしいなぁ...あーあ、ちゃんと帰って来るかなぁ」
「......」
「今日からまた1人でご飯を食べるのかぁ...はぁ...そういえば雲行きが怪しいなぁ...雨が降りそうだなぁ...心配だなぁ...アレストが凍えて弱ってしまわないか、また空を見ながら心配する日が来ちゃうのかぁ...はぁ...」
「ああああもう!!わぁったよ雨が終わるまでいりゃあいいんだろ!?いてやるよ!飯!!」
「本当かい?嬉しいなぁ!そうだねすぐご飯にしよう!待っていておくれ!ふっふふーん♪」
「くそ...これで一週間もいるぞ...俺...しっかりしろ俺...これに慣れるな俺...」
「いやぁ君は本当にお人好しだね!そうい」
「そういうところが好きだよ、だろ...」
「そうそう!よく分かってるね!ははは!」
「なんでこんな性悪を甘やかしちまうんだ...」