配信まとめ②:リアリティについて
配信まとめの2回目です。この時は、【リアリティ】について語っていました。棚に上げまくってますのでおこらないでね。メンタル弱いから僕。僕も頑張ってること、ってだけなの。
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私が大事に思っている要素の一つ、リアリティについての話です。なぜ際立ってこちらかというと、昔ある言葉を聞いたことがあるからです。新聞のコラムだったでしょうか。なんだったかは今は覚えていません。正確な言葉も覚えていませんが、こんなような言葉でした。有名な言葉かもしれません。
【現実的でないからといって、人間に空を飛ばさないのは間違っている。空を飛んでいる人を見たときに周りがどういう反応をするのか。それが、リアリティだ】
という言葉でした。それでは、リアリティについて語っていきます。あくまで、僕の解釈なんですけどね。
そもそも、リアリティというものは何なのでしょうか。感覚として、リアリティがある方がいいのだろう、というのは文字書き以外でも思っていることだとは思います。
リアリティ、ですから、日本語で書くなら現実的、でしょうか。きっとそうですね。現実的。それこそがリアリティです。
しかしながら厄介なことに、現実的という言葉には現実的という意味一つしかありませんが、【現実的の解釈】というのは受取手、使い手によって異なってくるのです。
ここではこの解釈を、先ほど述べた言葉に準じた僕の解釈にひとまず定義させていただきます。
たとえば。僕も大好きですが、剣と魔法のファンタジー。これは、現実的、でしょうか。鎧を砕くこぶしの使い手、消えない炎、不死の老婆、羽の生えた小さな小人、森に住まう長命の亜人、翼を持つ巨大なトカゲ。これらは、現実的ではないと思います。現実的であることが素晴らしい事であり、現実的でないものが面白くないもの、であるのなら、これらは面白くないものなのでしょうか。
いいえそんなことはないはずです。我々は数多のファンタジーに魅了されてきました。それらには夢がある。現実的でなくてもよいものはたくさんあるのです。
つまり、ありえないことを起こさないことで表現される現実的さは、現実的であることの本質ではないのです。それが現実的に思える描写、というものが現実的、リアリティであると、ここでは解釈します。簡潔に表すのであれば、
リアリティ=現実的
ではなく、
リアリティ=没入感
ということです。
※もう一度記しておきますが、これは僕の解釈であって、この場限りの定義です。実際のリアリティの意味はまさしく、現実味、リアル、です。
没入感。空を飛ぶという例で例えていきましょう。空を飛んでいる事ではなく、空を飛べることに焦点を合わせます。
もしも空を飛ぶ力が超能力として一般的な世界なら。わざわざその描写に力を入れる必要はありません。周りの登場人物も衝撃を受けることはないでしょうし、なんならホイホイと飛んでもいいかもしれません。他に飛んでいる者がいると言ってもいいくらいだと思います。
では、その能力が極めてまれであった場合はどうでしょう。実際にあなたの目の前で誰かがいきなりふわりと浮き、飛んで行ったらどうでしょう。手に持っていたものを取り落としたり叫んだり、急いでスマートフォンを取り出し動画を撮ろうとしたり、街はざわめくかもしれません。その描写は、空が飛べるという能力の特異性をより深く読者に理解させ、そして、その世界が世界として動いている、というリアリティを生み出します。
技法としていうのなら、読者に感じ取ってほしい価値観の立ち位置をモブキャラや周囲の反応で表現する、でしょうか。読者にわかりやすい感情しか出さない、とは全然違いますからね。作品の世界観、という一つの崩れない絶対の基準に対しての矛盾や穴のない描写で、その世界観を表現する、でしょうか。文字で表現するのも難しいですけど、(その世界の)理に適った描写が没入感を産むのではないでしょうか、ということです。
その世界というものを理解させる描写、納得させる描写。そういった物が理にかなった形で存在していて、読者がその中を疑いなく見れる作品。僕はそんな作品を、リアリティのある作品、だと思っています。
これはキャラクターの心理描写にも、情景描写にも、シナリオ自体にも言える事ですね。没入感の表現はどれか一点では足りないですし、どれか一点のみということはあり得ないと思います。それこそ、リアリティがないですから。
以上までが、リアリティとは何ぞや、というところです。回りくどかったですけど、リアリティとは没入感のことである、ととりあえず定義しました。
それでは、リアリティとはどうしたら出るのか、というところに論点を移そうと思います。
既に繰り返して言っているのですが、今度は感覚的な問題から。リアリティを感じないとき、というのはどんな時でしょう。没入感とするなら、現実に引き戻された時、ですね。衝撃的なシリアス展開など、そういうものではないでしょう。それすらもリアリティがあることはあるのです。では、なにか。
…完全に僕の感覚なんですけど、僕が一番引き戻されると感じるときは、【ツッコミどころ】です。
「おwかwしwいwだwろwww」ではなく「いやおかしいだろ。」ですし、メタでも予想外の展開でもなく、その世界や流れでは明らかにおかしい事、です。
こちらの場合はこう表現するのが正しいですね。作品の世界にとって現実的でないことが起きたとき、読者は作品の外、現実に引き戻されてしまうのです。読み込むタイプの読者であるほどに確実に。そしてもう戻ってこれないことさえある。
そうなったとき、その作品は最後まで読まれることもなくなります。完成したものであっても、未完と何ら変わらない物になるのです。完成度が低かったと、評されることになるのです。…かなしいね。ううっ
ということでここでは、突っ込ませない、【説得力のある描写】というのを、リアリティの表現の仕方としたいと思います。
そもそも描写という言葉自体の意味が広すぎる。描き写すことが描写です。頭の中の情景、考えたストーリー、キャラクターの心理、それらを文字や絵として表現すること自体が描写ですから、ありとあらゆる点で説得力があること。一本の流れがあれば、筋は通るはず、なんですけど。むずかしいんですよね。
でもまぁ筋が一貫してればいいはず(自信はない)ので、引き戻される、現実的ではないこと、から見ていこうと思います。
個人的に多いかな、と思う2点を挙げてみました。そこから、僕の気を付けているリアリティの描写に結論付けます。
まず一つ。
→(何でこうなったのかがわからない)
理由:説明しきれていない(設定の多さ・伏線の甘さ)
これは、理論は理に適っているのかもしれないが、それが伝わらない。という時に多いです。俗にいう【読者おいてけぼり状態】です。
展開が早すぎて伝わらない、伏線を回収し忘れて途切れている、設定が多すぎてどの設定が根拠なのかがわからない、などが多いです。僕に多いです。
深読み型の方は推察で補完してくださることも多いんですけど、やっぱり、「んっ?あれっ?ここ…えっと…前の文章がこうだから…きっとこれは…んと…えぇと…」となった瞬間現実に引き戻されます。いつもすいませんね…へへっ!(棚に上げる)
続いて、
→(こうである必要がない)(もっといい方法がある)
理由:練り切られていない、完成度が低い
理に適っていないのではないか、という疑問を読者が抱いてしまう形です。あるいはもっといい【正解】があるのでは、と思ってしまう状態です。読者置いてけぼりに近い、設定があるが描写されきれていないために起きることもありますが、こちらは置いてけぼりではなく、読者の見解の方が進みすぎてしまった場合です。
他の世界の常識が入ってしまったり、事前に明記されていた描写と逆の事象や矛盾が起きていたり、明らかに効率的でなかったり、流れに沿っていなかったり…そういう時です。予想を裏切る展開、ではありません。流れが不適切であった時、です。
これらが起きないように、気を付けているんですが、まぁ、気を付けたからといってできるわけでもなく。ですがいうのであれば、筋の通った理論、矛盾の少ない設定、可能性のある展開、キャラクターの性格に適した回答。そういった、
【こうでなければいけない、こうであるべきだ。そんな根拠と説得力のある展開にすることに気を付けている】
ということです。
世界観を持ち、保ち、浸らせ続ける。それが本当に起きているかのようなリアリティで、描く。没入感という解釈でのリアリティについての持論は、以上になります。
余談も少し書いたんですけど、これだけでもう一個かけるくらいになりそうだったので、わけますねぇ…
ほんと、自分の理論で、僕の重要視している部分の紹介、ですから、別のリアリティの解釈も絶対あると思うんです。でもこれも一つの選択肢として、間違いではないと、思います。
長くわかりにくくなったかもしれませんが、以上です。次があれば、言葉の感情、文の雰囲気、作者が見える、辺りについて語るかもしれないです。