ほうさんのお国柄

企画参加用創作ブログ。絵は描けない。文のみ。お腐れ。色々注意。

暴虐少年とお人よしとおまけ【後編】

後編。おまけが最後の方についてるけどほんとうにおまけ。こーれがびっくりしたことに着かずに終わるんだなぁ?
ルノ様が途方もなくクズに見えるけどワルガキだからね…相手が相手だし仕方ないね…と僕は思っています。
 
とってもナチュラルにカニバってるのがおまけの最後の方に出てくるのでそこだけ気を付けてください。個人的にサラさんは食肉扱いです。

 

 
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回想
 
 
 
「城の庭は蝶が多くていいなぁ。なぁ蜘蛛。美味いか?僕も小腹が空いたな。調達してくるとしよう」
 
 
 
「おい隠居!!!入るぞ!!」(ガチャ
「来るんじゃないよクソガキ」
「知るものか。おい、何かないか。食べるものだ。あるだろう」
「…ケッ、図々しい事ありゃしない。そこの焼き菓子があるだろう。持ってきな」
「おお!!!いただきます!!!」
「居座りやがる気だねこのクソガキ…」
「お前は醜いから嫌いだが…もぐ…用意する菓子が美味いので…もぐっ…ひょーかしているぞまーちゃる」(もぐもぐ
「あんたに用意してるもんは一つもないけどね」
「そうか」(もぐもぐ
「それにアタシが用意したんじゃない。あの捻くれ野郎が勝手に持って来たヤツだよ大抵」
「ひねくれ…?」
「アダネア」
「あの顔だけ面汚し精霊か!!!」
「(散々な名前だねェ…)そうさ。まだ残ってるんじゃないかい。食ったらそっちに行っとくれ。邪魔だ」
「言われなくとも。」(もぐ
「…そーいやぁ御子息様、アンタお勉強は捗ってんのかい」
「こくさいじょうせいの事か。見聞を広めろといわれたが、まだ何処にも行ってないぞ」
「だろうね。一回お出かけなさったと聞いたが、着く前にすーぐ戻って来たんだって?」
「そうだ!!!船の乗り心地が悪かったんだ!!この僕だぞ!この僕を運ぶ船があんながたがた揺れるなんて!!」
「たった一人の運搬にデカイ船出せるワケがないからねェ」
「外の国を見てみたいのは山々だが、船があんなものでは僕は行けないな!」
「ほーぉ。じゃあ、この国で一番上等な乗り心地の船を知ってるかい?」
「一等客船だろう?いや、大きさで言えば破砕運船か?」
(破砕運船:運搬用の巨大な船。中に小麦の製粉用破砕機構が搭載されており、刈り入れた小麦をそのまま積み、輸出の道中で加工する事によって収穫からより早くお届けできるようにした船。)
「ハズレさ。もっとあるだろうもっとデカイ船が」
「…レイゲンドールの奴隷船か!?奴隷だぞ!?奴隷を乗せる船が、貴族や他国の客をもてなす船よりも上等だと!?」
「あの坊ちゃんの船はこの国の技術の最たるもの全てが搭載されてる。んでもって全ての実験用の場所さ。よーく考えてみな跡取り。この位は教わってるだろう?かつてこの国にいたアルファ達の技術、魔導機構。国民どもには使わせられない技術を、国のそこら辺の船に使えるかい?
明勲の一部しか知らない技術で、他国には漏らしたくない技術だ。何処で使えるかって言ったら、直して作った本人と、純国民でなく尚且つ原理が気にならないバカや理解できない学のないヤツの前くらい。そうだろう?」
「…!!!」(なるほどという顔
「ヒヒッわかったかい。アンタの名前、お勉強用の経費、で金やら時間やら国からせしめられるんだ。あの鳥頭に言ってやんな。こっそりね」
「これはいいことを聞いた!感謝はしないがお前の評価をぶちゃいくに上げてやろう!!」
「評価はどうでもいいし感謝してくれるほうがマシだねェ」
「今確か港にいたな!次の出港はいつだ?」
「さーぁ、あたしゃ今は隠居ババアだから知らないねェ。現役に聞きな」
「菓子のついでに聞くか!さらばだ!!」
 
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「おい面汚し!!!菓子を出せ!!!」(バンッ
「…これはこれはどうも御子息。ノックもなしに。教育の程を疑いますね」
「お前には僕の教養の程を見せてやる価値もないというだけだ。あっお菓子がいっぱい!やったぞ!!」
「そうですか。それで?菓子だけが要件なら持って行っていいですから」
「んっ、そうだそうだ。レイゲンドールの船の出港日を聞きたくてだな!」
「奴隷船に興味を示すとはまた珍しい…ええと…受け取った覚えは…あるんですけど…何処でしたかね…おっぱいから渡されたはず…」(ガサガサ
「片付けてないのか。だらしのないやつだな!」
「あの鳥頭直接渡して来ないから処理がかさんでどうしても片付かないんですよ小言はあのアホにどうぞ。ああこの束です。…おや。大国に行くだけにしては旅程日数が少々多い…」
「みせろ」(べしっ
「大事に扱ってください」
「なるほど…、ふっふーんわかったぞ。あのぶちゃいくが言っていたのはこういう事か。おい出港日はどれだ」
「今日ですね」
「なんだと!!??こうしちゃいられない!ごちそうさまでした!!!」(駆け出し
 
 
 
 
「という事があった!!なので僕はこっそりコイツ(背中の蜘蛛を指差す)の糸で船に乗ったぞ!」
「…なるほど…ううむ…うむ…んんん…」
「どうした?」
「あー…いや。なんでもないのだ、が。その話を聞く限り…」
「うん?」
「…うむ。アダネアには旅程日数をインチキした事が既にバレている、という事だな、と!」
「安心すればいいぞレイゲンドール!文句を言ってきたら僕に言え!僕がちゃーんという事聞かせてやる!」
「ワタシは手荒な真似は好きではないぞ!」
「手っ取り早いのに」(むすっ
「はっはー!貴方もいつかわかるだろう!支配や恐れよりも、愛と信頼こそが最も強い絆だと!」
 
 
 
 
おまけ
 
 
ルノ様が来るちょっと前
 
 
「菓子、いりますか」
「アンタ王城の厨房好き勝手使い過ぎだろう」
「勘違いしないでくださいこれはテディたそに作った余りですから。それと、中庭に暴君がいたので」
「クソガキかい。わかったよ置いときな」
「月の終わりも近いというのに書類は増えるし」
「アンタ愚痴を言いにきたのかい邪魔だねェ」
「ペテン野郎とおっぱいとヤリチンが同時に書類を月末に出して来るのどうにかならないんですか。どれだけ月初に仕事を終わらせたくても終わらなくて城に篭りっぱなしです」
「ああそれかい。どうしようもないよ。いつもの手口さ」
「…あの若造…」
「多分…そうさねェ。一番仕事量の多いラフラト、一番仕事しないマザー。この二人を経由すれば必然的にこっちへの報告は遅くなる事はあのマヌケもわかってんだろう。よーく見てみな。アイツの書類。どうせ出航が月末に近くて何かしらイカサマしてる。バレる前に国を出るための時間稼ぎってトコかねェ」
「そういう下らない事にばかり足りてない脳を使うのはどうにかならないのか…」
「ヒヒッ、無理さね。あのお人好しは奴隷共を遊ばせてやることしか考えてないんだろうさ」
「…はぁ」
「どれだけ罰をやっても懲りないから無駄だよ。保証してやるさ。アタシの弟だ」
「よーくわかりました。姉もお人好しだって事も」
「アタシが?バカ言うんじゃないよ」
「弟のやり口全部わかってて今まで見過ごしてやってたということでしょう?」
「あのクソみたいな善人が規則を守らないってのがどうしても面白くてねェ。ヒヒヒッ、お国より自分の信念の方が大事だっていう滑稽な頑固さ、いつまで続くか見ものだろう?ついでにじじい連中も困るし、アタシはそっちのが愉快さ」
「どっちにしろ自分には迷惑な話です。仕事は長引く、サラ様には会えない、城に拘束されて暴君に殴られる機会が増える、奴隷もびっくりの糞待遇。あのヤリチンの性奴隷の方がマシな生活してますよ」
「そりゃ間違いない。…それじゃ、菓子の礼にいいことを教えてやろうじゃないか」
「あなたがそういう時は大体ろくでもない事ですよ。どうぞ」
「簡単さ。イカサマで合わない帳簿はイカサマで合わせればいい」
「糞に糞を塗りたくった完成品をサラ様に提出しろと?」
「どうせあのジジイにはわからない領域の話さ」
「そうですけどね。たしかにやれば仕事なんてすぐ終わりますけど」
「時間もできて遊び放題じゃないかい」
「今になって貴女がどうして現役時代あんなに時間的余裕があったのか今ならよく分かりますよ」
「アタシが下らない仕事してる時間で倍は稼げるんだ。無駄だろ」
「その割に辻褄の合わない数字が無かったのは流石仕事の腕だけでのし上がっただけの事はありますね」
「最高の褒め言葉をどうも。ヒヒヒ、アンタなら出来るだろうさ。娘には難しいかもしれないがね」
「…まさか、イカサマを事実にしてました?」
「ヒヒヒヒッ!!!」
「成る程狡猾さに定評のある貴女らしいやり口だ」
「使えるもんは使わなきゃ損さ。当然だろう?ほーら丁度権力の塊かつバカなクソガキが城にいる」
「大人はズルいって事を若造どもに教えてやるとしますか」
「誰も嘆かない、実に円満な解決だろう?争いや漣立てるのが三流のやり口だってのは、歴史が証明してんのさ。ヒッヒッヒ!!!」
 
 
 
 
 
 
「ラビリンスには一体何があるんだ?」
「もにもにとした生き物が多数生息しているらしいぞ!」
「噂のうさぽんという生き物か!!」
「おお!そうだ!よくご存じであったなルノーテスラ!」
「肉がうまいと聞いた!!!!!」
「はっはー島内での狩猟と調理および捕食は禁止な筈だ!」
「え…」
「そうでないとそれはそれは血生臭い島になってしまうだろう、仕方がない規則だな!戯れるのは規則がないと聞くし、」
「おにくたべられないのか…?」
ルノーテスラ…」
「おいしい肉だと…きいて……」
「…ルノーテスラ、大国に着いたらワタシとうさぽん料理の店を探そうではないか!!」
「!!!」
「約束しよう!必ずこの旅でうさぽん料理を貴方に!!」
「レイゲンドール!!感謝するぞっ!!楽しみだっ!!」
 
 
 
 
 
 
 
「君の息子がレインの船に乗って国を出たらしいけど、話聞いた?」
「いや知らんな。行き先は危険な場所なのか」
「ううん。全然。一応大国行きだし…多分何処かに寄り道するんじゃないかって言われたけど、そこも危険ではないなぁ」
「何処だ」
「どうせ君聞いてもわからないだろ…ラビリンスっていう島。国っていう場所ではないね」
「知らんな」
「君海の外への興味うっっっっすいもんね。前温泉で見たでしょ、柔らかい生き物。あの子達が住んでるらしいよ」
「いたなそういえば。触り心地の良い…」
「美味しいらしいね、あの子」
「なんだと!!!!」
「君本当に美味しいものには目がないよね…でも狩とか禁止だった筈だから、行かせないよ」
「え…」
「…外に出る気普段はないくせに、美味しいお肉って理由だけで張り切られるのちょっとムカつくし」
「私情ではないか」
「君だって私情だろ!?」
「にく…」
「…蜂蜜ならあげるからさ」
「それは当然貰うがにく…」
「図々しいな…大体お肉なら昨日僕の事勝手に食べたろ痛かったんだからね」
「筋っぽかったぞ」
「前回もおんなじ所食べた君のせいだろ!?僕に文句言うなよ!完全に元どおりになるには時間かかるんだからねっ!」
「一度も食った事のない部位を差し出すというなら考えんでもない」
「なんで上から目線なんだよ…どっかあったっけ…ないよね正直…」
「そうか?」
「君大体発情期に食べに来るから覚えてないだけでしょ…残ってる所なんて内蔵…くら…い…」
「内蔵」
「ちょっとやめてよ内蔵はキツイってちょっとキツイ」
「心臓は食べた事がない筈だ」
「確かに無いけどそれは本当に死ぬんだよ!?」
「先に火を起こしてこよう」
「食べる気満々だ!!!やめろこの変態悪食野郎!!食べられたら三日は意識戻らないんだぞ!!それどころか全再生するんだよ!?」
「三日も静かになるのか。利点尽くしだな」
「あああー!!もう何言っても無駄なやつだ!!マリー助けてぇコイツもうやだよう僕食べられちゃうよう」
「彼女が助ける兆しがないな。許可が降りたという事だろう」
「普段は過保護なくせにこういう時は酷いんだよなぁマリーは!!!」
「麻酔の類はいらないな?不味くなるから使う気もないが」
「じゃあ聞くなよぅ!もうやだ…ぐすん…」
 
 
サラさんの中にいるマリーシャさんはサラさんが危なくなるとよく助けてくれるけどおじじに対しては割と甘い。
 
 
 
出てきたモブ達。リウヘンさんはそこそこキャラとして役があるけど後はモブ。兄弟はいっぱい。何十人も船に乗ってる中での数人です。
 
リウヘン
赤いアルビダ女性。古株。奴隷達のお姉さん。超パパコン。もう自分の身を買い戻せるだけの働きはしたが、自分の意思でレイゲンドールの側にいる。今のレイゲンドールお気に入りの服は彼女で染めたもの。
 
エルテ
元気盛りな女の子。鬼。勉強や頭の方が追いついてないけど兄弟達と一緒にお勉強中。
 
ロティ
まだまだ幼いアスラーンの男の子。パパとの距離は測り気味だけど心を開いてきてる新人くん。兄弟達とは仲良くやれてるみたい。
 
ハント・クレオ
190cmを越す双子の男の子。青年?サターニア。子供っぽいけどちょっと無機質め。でもぱぱだいしゅき。幼い兄弟達の子守兼護衛をよくしてる。