ほうさんのお国柄

企画参加用創作ブログ。絵は描けない。文のみ。お腐れ。色々注意。

神子様と聖母様の昔の話

 参考までに貼り付け。

o-osan.hatenablog.jp

 

 

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みこみこちゃんの中の人(?)である神子様(割と真面目)と、二度目の戦争を終結させたと言われている聖母様ことエーテランテ様の昔のやり取り。二回目の戦争の…終わる…ちょっと前位。このお二方の存在していた時代は少しだけ被っていて、その、本当に末期の時。

 

魔法の詠唱というか祝詞というか…こんなかんじかなー、みたいなの書いた。キャラごとの特色が出ると燃えるよねっていうただそれだけです。

 

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「すると君は、はぁ。そうか。私の導きが…過ちであった、と。そう言いたいのだな」
 
「単刀直入に述べるのならば」
 
「では、な。教えてみせよ、この私に。は。は。は。そこまでいうのだエーテランテ。君の中には…答えが。最良の最善が、あるのよな?」
 
「貴殿は彼等を棄てた。最期まで、」
 
「最後まで導けなどと。そう言う気ではあるまいなぁ?」
 
「理解しているではないか」
 
「棄てたのは私ではなく、子らよ。
子らが私に…望む事を止した。愛しき子らは、絡繰と共に生きる事を望み、成しおった。私は、それに応えたに過ぎぬよの。」
 
「逃避を持ってか」
 
「エーテランテ。君は、賢い、娘。そうであろう。」
 
「始末は己が手でと。それが貴殿の役目であったはず」
 
「役目…ふ。ふ。ふ。そうな。役目よ。そう…」
 
「彼等は誤った。それは確かだ。だがそれでも愛を持ち、責務を全うする事が、貴殿の役目であったはずだ」
 
「…は。は。は。役目。そう。与えられたものよ。しかしそれを成せなどと、何も私に述べずよ。」
 
「目を瞑り信じ仰ぐ事も忘れたか。堕ちたものだな神子よ」
 
「エーテランテ。君には解らぬ。決して理解出来ぬ物事よ。
大いなるものを親に持ち…私にはの、私のような父も、君のような母も、おらぬのだ。己を父とし、母と交わり子らを成すなどとほざく。そうしても遂げられぬなど、もう耐えれんのさ。」
 
「だとしても、貴殿の不始末が産み落としたのは醜い争いだけだ」
 
「君は、実に、正しいのだなぁ」
 
「貴殿の情けが死を産んだ」
 
「そうとも。それが子らの意思ならば。私は見ぬ様過ごすしかあるまいて」
 
「誤ちを過ちにするも罪と同じ」
 
「君は、私に、酷な事を言うな。私が、我が子らを屠る事が、すべき事であった、と。そういうわけか。」
 
「貴殿を信じた人の子を見よ。
命短き者共と、力なき者と呼ばれ蔑まれ実る事無く死ぬ。
罵るのは同胞達だ。貴殿の不始末故に正しきを見失い、穢れた者は少なくない。
絡繰共に寄った者など…見るに耐えん。破壊の限りを尽くし、母を、父を、穢し、貶め、破滅の道を行く。
 
この荒んだ世を見て、なお。貴殿がそう言うのであれば」
 
「言うとも。私は父として、役目を棄てた。ああ間違いないとも。
…滅ぼさねばならぬ責務を棄て!我が子らの選った未来に憂いも!子らの誤ちを黙し見送った!!
さぁ言ってやったぞなエーテランテ?この私に贖罪をさせるか、この、神子たる私に!させてみせるがいいわ!!!」
 
「貴方が臥せぬ限り彼等は護られる。私が貴方の不始末を、処理する」
 
「全く主は冷たい女よ。情の一つも見えぬ!怒りを押し殺した私の情など、理解、せず、去れ!!!」
 
 
『その命は許された。母の愛を温もりを。父の恵みをその庇護を。
『贖え、血脈は汝をも呑む。それは凍てつき罪を傷とし蝕むもの。
 
私が述べる最古の譜。祖は礎とし根差した大地を其方と分かとう。
穢れは麗しき繁栄が為朽ちるが理。砕け砕け、そして散ぜよ飛沫の如し。
 
風は運ぶ火は温み水は育んだ。実りはやがて母の腕を後にまた巡る。
戻さぬ檻に私が成ろう。父が為母が為この身は不浄を許さぬと誓う。
 
それは定めそれは祈りそれは約束それは命。 許されぬ逸脱も我が手の内に在る。
我が涙は槍となり汝を貫き、我が血は楔となりその身を磔罪として埋める。
 
下そうぞ裁きを与えようぞ慈しみを。全ては礎へと還るもの』
果たす使命、責はこの魂この身そのもの。愛しきもの、そなたが為に』
 
 
 
 
 
 
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この後神子様は永い永い眠りにつき、エーテランテ様は小競り合いの止まない状況を、思想ではなく人間と精霊という種族で分断させて収束させました。自身は人間たちの住む島に身を置いて…。
エーテランテ様は聖母であったのではなく、戦争を収束させた後に聖母と呼ばれるようになった女性です。リード島に身を置き、この地に残った精霊たちを保護しているうちにそう呼ばれるようになりました。そのうち聖女様ことマリーシャ様が生誕して会うことになるのですが、マリーシャ様とエーテランテ様もそんなに仲良くない...
 
パッと見からして無機質というか冷たい女性。加護が凍結、氷の加護で物理的にもすごく冷たい。聖女様や神子様に比べると加護は弱い方ですが、この国の文化としてほとんど根付いていなかった氷の加護ですので、唯一性という意味で非常に希少な加護でした。
 
そのうちサラさんにも出会いますが…彼女が語られることは多くないでしょう。身を隠して暮らしていた女性ですので…。悪い人じゃないけど頭は固め。 精霊らしい、ともいえる。
 
 
結局何が正しいなんて言えないから、強い方が正しくなる。だから自らの信じるものを正しく在らせるためだけに強くなる。そういう単純でわかりやすくて難しい強さを求める精霊達が、僕は好きです。